完全粉ミルクですが何か
娘は産まれた時からのんびり屋であった。
産まれましたよ、と取り上げてもらい、私の上でカンガルーケア。
何と感動的な瞬間か。
しかし、その感動的な瞬間は、娘の初めての「おしっこ」ですぐに幕を閉じた。
そのくらいのんびりしていたのだ。
そのせいか、彼女はお乳を飲むのが下手だった。 その上、お乳が飲めなくても平気なようであった。仕方なく搾乳をして与える日々が2ヶ月ほど続いたが、いっこうにお乳の飲むスキルは上達せず、私は「おっぱい」を諦めたのであった。そして3ヶ月にして完全ミルクとなったのであった。世の中の育児書を読むと母乳がいかに素晴らしいかが書かれており、私はその度にすごく焦るのであった。
世の中の育児書はもっと「完全ミルク」のママに配慮すべきである!!!
そんなことをしているうちに私の乳は完全に止まったようである。産後3ヶ月で乳は止まり、生理が復活してしまった。何となく恥ずかしさを感じるのは、世の中の母乳神話主義のせいだろうか、どうだろうか。
しかし、粉ミルクにはとても良いことがあった。
まず、旦那に育児を任せて、思う存分産後の体を労る時間を取れたことである。あと、授乳が「母の特権」ではなくなり、旦那と平等の立場で育児をすることができたということである。旦那は自分でミルクを与えることによって、より父親としての自覚をもつことや我が子との絆を構築することができたようであった。「自分だけの赤ちゃん」の時期がほぼ無かったことは、少し寂しくもあったが、後から考えればこれはとても良かったことだ。
次産まれたら、母乳で育てたいとも思う。私の場合は、子供を精神的に独占したい気持ちに近いかもしれない。しかし、粉ミルクで育てることは、家族が一つになる上でとても良いことだったと思う。